承認を与える7つのコミュニケーション

私たちの日常のコミュニケーションには、承認を与えるチャンスが溢れています。

あなたが、どんな風に承認を与えることができるかに迷ったら、その1つの物差しは、

1.相手の役に立つこと

2.相手が喜ぶこと

つまり「自分が人にしてもらって嬉しいと思うこと」です。

この物差しに沿った、相手のために行う、すべての行為や関わり方が承認へつながります。

 

 1つ目.最大級の笑顔を贈る

笑顔は人と接する上で、もっともシンプルなコミュニケーション。

シンプルであっても、相手に向ける笑顔は、あなたの存在や行動を歓迎していますよ、認めていますよ、というとても強力な承認です。

相手に対して、何かしらの反応をする際には、常に笑顔を心がけること。

笑顔を贈る時には、あなたのできる最大級の笑顔を意識していきましょう。

そして笑顔は、ストレスホルモンを減少させて幸せホルモンを分泌したり、免疫力を高める働きがあると研究されています。

笑顔は伝染すると言われますから、あなたが相手に笑顔を贈ることは、承認を与えるだけでなく相手も笑顔に、幸せな気持ちにさせることができます。

あなたと会えて嬉しい、あなたがいてくれてよかった。

そうした「感謝」「喜び」の気持ちを持った笑顔を意識すると、自然と表情が柔らかくなります。

 2つ目.誰よりも丁寧に挨拶する

挨拶は、誰もが人と会う際に必ずする、最初のコミュニケーションです。

あなたの存在に気づいているよ、歓迎していますよ、という立派な承認です。

ただ形式的に、あるいはなんとなくしてしまう挨拶では、相手の承認にはなりませんし、

挨拶をしなければ、それは相手の存在を無視することになってしまいます。

普段の2倍、3倍以上の声の大きさ、明るさ(笑顔)を意識して丁寧な挨拶を心がけましょう。

「自分から」「相手の目を見る」「相手の名前を呼ぶ」

この3点がポイントです。

 3つ目.365日の声掛けを徹底する

声掛けは、どんな時でもどんな人にも与えることができる承認の方法です。

褒め言葉、賞賛の言葉でなくても、相手の様子や相手を気遣う言葉を一声かけるだけで、相手にとってはその関わりや気遣いが承認そのものです。

例えば・・・

「今日も笑顔がいいね。」

「ちょっと疲れているみたい、大丈夫?」

「頑張っているね。」

こんな何気ない一言でも構わないのです。

毎日声をかけ続けてもらった承認の蓄積は計り知れません。

相手にとって、あなたは誰よりも自分を気にかけてくれる存在になるでしょう。

日々相手を観察し、小さな変化や様子に気づくように心がけ、365日徹底して声掛けをしていきましょう。

 4つ目.感謝・御礼は5割増し

感謝されて御礼を言われることは、誰にとっても嬉しく、強力な承認です。

小さな好意や、何気ないことであっても、相手はあなたに喜んでもらえるように、役立つようにとやってくれたことです。

その気持ちや期待を大きく上回るためにも、感謝・御礼は、いつもの5割増しの言葉や行為で表しましょう。

相手が「こんなに喜んでくれるなんて」「自分がそんなに役に立てたなんて」と、驚くくらいが目安です。

さらには、その伝え方や姿勢も大切なポイントです。

感謝・御礼を伝えるのは、メールよりは電話、電話より対面で伝えるのがもっとも丁寧です。

メールで御礼を伝えていたとしても、次に会った時には、改めて直接伝えるように姿勢でも示すようにしましょう。

 5つ目.日頃の5倍ねぎらう・褒める

ねぎらいや、褒める言葉(行為)も、相手への強力な承認です。

日頃の5倍以上に伝えることを意識して、承認を与えていきましょう。

特別な時だけ言葉をかけるのではなく、大切なのは日頃から小さなことでも、褒めたり、ねぎらいをしているか。こうして積み重ねた承認は、確実にあなたへの好意や信頼になっていきます。

そのためにも、相手に常に関心を向けておきましょう。

例えば、「今日はAさんの様子が少し行き詰まっているようだから、Aさんを中心に、全メンバーに対して1人10回はねぎらいの言葉を伝えよう。」

このように具体的に意識をすることで、小さなことでも相手の変化や様子に必然的に目を向けることになります。

 6つ目.最大の共感者になる

共感とは、相手の考えや気持ちなどに無理に同調や賛同するのでなく、

あなたはそう考えているんだ、あなたはそう感じているんだ、という「理解を示す」ことです。

私たちにとって「自分をわかってくれている」と感じることは、大きな承認になります。

例えば、あなたが仕事の目標を達成して喜んでいる時。

Aさん「次もこの調子で頑張ろう。」

Bさん「わかるなー、嬉しいよね!努力したから、尚更だと思う。次もこの調子で頑張ろう。」

このようにAさんBさんからかけられる言葉に、どんな違いを感じるでしょうか。

感情とは、出来事に対してその人が強く訴えたいと発しているメッセージですから、それをわかってくれるだけで、認めてもらえたと感じるのです。

例え好ましくない感情であったとしても、それを最初から否定してしまっては、相手の反発を生むだけで、どんなに素晴らしいアドバイスも受け入れ難くなってしまいます。

一度はその気持ちに対して否定・肯定せずに理解し、

アドバイスや提案をするなら、それからです。

「あなたは最大の理解者だ」と言われるくらいを目指して、徹底して相手の感情や気持ちに共感を示しましょう。

 7つ目.最高の聞き役になる

私たちは、人から認めてもらうために、とにかく自分のことを知ってもらいたい、自分のことを話したいのです。

ですから、人の話を聞くことは相手への大きな承認です。

人の話を聞くことを、カウンセリングやコーチングなどの専門用語で「傾聴」と言います。

傾聴とは、人の話に心を傾けて(関心を示して)聴く、スキルや相手と関わる姿勢のこと。

人の話を途中で遮らず、最後まで耳を傾ける。

相手の考えを否定せずに受け止める。

相手や相手の話に集中する。

こうした基本的な傾聴のポイントを押さえるだけでも、相手は十分話しを聴いてくれている実感を得ることができますが、「世界で一番自分を知ってくれている」と言われるくらいを目指して、徹底した聞き役になりましょう。

 まとめ

人から好かれたいという気持ちは、私たちの存在自体に影響する、大事な欲求です。

ですから、好かれる人でありたいと多くの人が願うのは、とても自然なことなのです。

この背景には、私たち誰もが持っている「承認欲求」が大きく影響しています。

この欲求が満たされていないと、私たちは自信をなくし、人との関わりに不安を感じ、精神的にも落ち込んでいきます。

それほど、私たちは「承認」を必要としているのです。

つまり、人に好かれるための秘訣とは、

この欲求を満たす「承認を与える」こと。

私たちの日常には、人と接するチャンスがあふれていますから、

誰よりも承認を与える人を目指して、コミュニケーションの7ヶ条を徹底実践していきましょう。